シンデレラのガラスの靴

「シンデレラシューズ」というバーチャルシューフィッティングサービスを作っています。あんまり若くない、スペックもない、珍しいタイプのスタートアップ女性起業家の、初めてだらけ&失敗だらけの奮闘記です!

トレトレ青山本店の閉店に思うこと。

シンデレラシューズのぼすです。

 

今回、ショッピングアテンドのメニュー↓

coubic.com

をお選び頂いたお客様とお話をしていたのです。

 

ショッピングアテンドは、私がフィッティングの面とデザインの面を、両方考慮した上で店舗、またはオンラインショップにて下見を行い、合いやすい靴をお選びして靴選びのサポートをするというメニューです。

 

測定後にデザインの好み・価格・色や使用用途などを伺っていると、絶対にここにお連れしたい!というお店が頭に浮かびました。

 

それは、Tre's Tre's(トレトレ)青山本店です。

 

ここのお店は青山学院の前の青山通りを挟んで反対側の路地裏にあるお店でした。

小さな、ヨーロッパの一軒家風のお店で、一階・二階に、センスの良いインポートの靴がたくさん並んでいました。

 

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※写真はお借りしました

大手のセレクトショップでは扱わないようなちょっとマニアックなブランドだったり、人気のあるブランドでも、ちょっとエッジの効いたデザインを敢えてセレクトしたり。

「靴」という商品の魅力を存分に味わえるお店でした。

 

 

・・・・・そう。

過去形なのは、今年の8月に本店まで全て閉店していたのです。

一時は、大手商業施設にいくつも出店するほど多店舗展開をしていた時期もありました。

徐々に店舗が少なくなっているのには気がついていましたが、まさか本店がなくなるとは・・・・。

夢にも思っていなかったのです。

 

今回、お客様をお連れしようとHPを探していると、まさかの閉店の文字・・・!!

とてもショックを受けました。

 

 

そして、ああ・・・・、そうか。そうだよね。

もう、ここまで来ちゃったんだ・・・・、と。

今回の事を受けて、靴業界について色々思うことがありました。

 

 

 

日本での靴の平均単価は下がり続けています。

特に、高価格帯の靴が不調です。

(クリスチャンルブタンや、マノロブラニクなどの解りやすいブランドの靴は別ですが。)

 

3〜5万円位の価格で、ブランド名は有名じゃないけど、デザインに一目惚れして、予算とか頭からぶっ飛んで衝動買いしてしまうような、そんな心躍るような靴が昔は沢山ありました。

 

例えば、私はMICHEL PERRYという靴のブランドが好きでした。

今、あんまり日本のお店で見ません。(多分あるとは思いますが、昔ほどは見ない。)

ここの靴、3〜5万くらいしますが、本当に可愛かった。

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検索したらオークションで出てきました(;>艸<;)これの黒、昔持ってたんです・・・・!

15年くらい前のデザインですよ、これ。今見ても美しい〜♡

 

まぁ、MICHEL PERRYはトレトレで買ったわけじゃないですが、あのお店はそういう靴の宝庫だったと思います。

 

で、なぜそういう靴の売れ行きが伸び悩んでいるのか、というと。

もちろん所得の低減とかも大きく影響しているし、ファストファッションが入ってきて安い物を持つこと自体が恥ずかしい事ではなくなったり、いろんな理由があるでしょう。

 

でも、一つ影響しているのはフィッティングの問題です。

 

「どうせ、どんな靴を買ったって痛いのなら、安い靴でいいや。」

 

この言葉、私は施術にこられるお客様からよくお聞きします。

これってとても素直な考え方だと思います。

履けないものに高いお金を出したくない。当たり前のことですよね。

 

 

私がやっている「シューフィッティング」。

これが貢献できるのが、靴の単価だと思っています。

 

上記のように仰るお客様も、

 

「本当にぴったりの靴なら、長く履ける良いものが欲しい。」

 

とも仰います。

 

所得の低減ももちろん影響しているでしょうけれど、「どうせ何を買っても履けない物」という認識が薄れない限り、所得が上がっても靴の平均単価は上がらないと思うのです。

 

靴のお買い物って本来は、心が舞い上がるように素敵な気分になる筈なのです。

そう、洋服よりもトキメキます。

そんな体験がどんどん出来にくい市場になりつつあるんだなぁ・・・と、今回のトレトレ青山店の閉店を知り、改めて実感したわけです。

 

もう、待ったなし!くらいの状況まで来ているのかも。

フィッティングの普及、本当に頑張らねばなりません。

 

気合いれます。

 

では、また。